今年は、「源氏物語」が書かれてから、千年だそうで、 各地で色々なイベントや講演が行われているようです。
私は、仕事柄、「源氏物語」を教材にして、「古文」を教える 機会がたびたびありますが、読めば読むほど、よく平安時代 に、このような大作が、女性によって書かれたものだと感心 します。
瀬戸内寂聴さんが、世界文化遺産に登録された、日本の 誇る「源氏物語」を、日本人なら誰でも読めるようにと、 現代語訳をお出しになってから、十二年だそうです。
確かに、イギリス人なら、誰でもシェークスピアを知っている ように、日本人が、「源氏物語」を知っているかというと、 残念ながら、知らない人の方が多い気がします。
日本人は、あまりにも自国の文化に対して無知過ぎると 思います。
日本に憧れ、日本文化に憧れて研究している外国人が 多いのに、日本史さえよく知らない子供も増えています。
もちろん、外国に目を向けなければいけないのも本当ですが、 自国のことをよく知らないままで、外国文化や外国文学を 学ぶのは、ちょっと筋が違う気がします。
「源氏物語」を原文で読むのは、骨が折れますが、実際の 微妙な言葉遣いや、言い回しなど、物語の機微を味わう には、やはり現代語訳より原文で読むのをおすすめします。
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