すっかりブームとなった“チョイ不良(わる)親父”の元祖は、イタリア人のジローラモさんです。
男性ファッション誌「LEON」のモデルとして起用される時に、チョイ不良(わる)親父のイメージで売り出したので、ジローラモさんが不良だというわけではありません。
どこか不良のにおいがして、危険な香りがするけれど、ちょっといかした中年男というような設定なのだと思います。
作られたイメージが先行していたので、ジローラモさんのインタビュー記事を読んで、私はちょっと考えさせられました。
ジローラモさんは、「私はイタリア人なので、宗教がDNAにあるので、決して浮気は出来ないと思います。」と言っていました。
イタリア人のDNAにあるのは、まちがいなくカトリックなわけで、十戒に「汝、姦淫するなかれ」と書かれているから、そういう罪は犯せないというわけです。
罪という意識が、日本人にどういう風に根付いているのかと、最近よく考えます。
あまりにも残虐な、人の命をなんとも思っていないような事件が、連日ニュースになりますが、その犯罪の根底に罪の意識の欠如があると思うのです。
ちょうど今は、11月15日の七五三参りが各神社で行われていますが、日本人のDNAにある宗教は、神道なのでしょうか?
よく言われるように、神仏混交な上、信教の自由なので、基本的に神社にもお寺にも行くのが大半の日本人です。それを宗教のDNAがあるとは言えない気がします。
私達日本人の、古くからのしつけの言いまわしは、「そんなことをしたら罰が当たるからしてはいけない」という教え方で、「そんなことをしたら罪になるからしてはいけない」という教え方とは、根本的に違うと思います。
宗教の問題は、もちろん人それぞれなので、どれがいいとか悪いとか言うつもりは毛頭ないのですが、罪を犯してはいけないという意識を、小さいうちから植えつけないと、犯罪の残虐性が増しているように思えて仕方ありません。
宗教と言うより、良心の問題、良識の問題ですが、そこが欠落してしまっているのが現代の悲しさです。
堂々と胸を張って、「私には宗教のDNAがあるから、浮気は出来ません」
と言えるジローラモさんは、実は“チョイ不良(わる)”から一番遠い存在の、超真面目親父なのですね!!
写真は、太宰府天満宮と大浦天主堂です。

