先日、自由劇場で、劇団四季の「壁抜け男」を観劇して来ました。
自由劇場とは、元々は、Theatre-Libreと言い、フランスで、アントワーヌが創設した劇場です。そこを拠点とした自然主義的演劇運動を指すこともあります。
日本では、それを引いて、小山内薫と二代目市川左団次が起こした劇団です。それが、新劇運動の最初です。
小山内薫が築地に、新劇専門劇場を建てたのが築地小劇場です。築地小劇場の創立同人だったのが、今の自由劇場を持つ、劇団四季の浅利慶太氏の父君の、浅利鶴雄氏です。
自由劇場は、とてもレトロな、明治の西欧文化を意識して造られており、前述の新劇の歴史を踏襲したものであると思うと、とても感慨深いです。
私自身は昭和の、しかも戦後生まれですが、自由劇場のロビーやエントランスは、昔の文楽座や、中座、各地の映画館などを懐かしく思い出させてくれます。
写真は、二階ロビーより、エントランスに向かって撮ったものです。
丸い窓から、シャンデリアの明かりが、葡萄畑のように見えるというので、それを撮りました。
そこで今回上演されていたのが、フレンチミュージカルの「壁抜け男」です。
音楽も、お芝居も軽妙洒脱で、「普通の人間、平凡だけれど人生はそういうもの。人生は素敵、人生は最高!」というメッセージが込められています。
色々な障害が人生にはつきもので、それにとらわれていると、何も変わらない。だけど、そういう規制を受けている中で、平凡なようでも、人生を楽しく、素敵と思って生きれば、人生は最高だというメッセージだと、私は受け取っています。
劇場で一緒に歌いましょうと配られた楽譜です。
拡大して頂くと、どういうメロディーか、おおよその見当がつくと思います。
(作曲:ミシェル・ルグラン…「シェルブールの雨傘」の作曲者です。
日本語版台本:浅利慶太)
これからの世代の人々に、胸を張って「人生は最高よ!」と言えるように、私も生きていきたいと思います。

